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障害者自立支援法に基づく居宅介護と連続して一体で提供される輸送行為(移動サービス)は、運送に対する金銭の授受がない場合でも、介護サービスの収入を輸送コストに充当しているものとみなすこととされました。そのため、道路運送法に基づく事業許可・登録を取得しなければ介護サービスの報酬を受けることができません。
取得しなければならない許可・登録は下記の通りです。
4条許可とは「福祉輸送事業限定」許可であり、43条許可は障害者自立支援法の利用者を定路線で複数人送迎することを想定した事業許可となります。
これらの許可を取得した事業者は、許可車両の他に訪問介護員の持込の自家用車を使用して、障害者自立支援法に基づく「身体介護」と一体化した輸送(移動サービス)を行う事ができます。
持込の自家用車は、運送主体(運転する訪問介護員)が使用権限を持っている上で、道路運送法第79条に基づく(公共の福祉を確保するため)登録車両として一括申請することとなります。
持込の自家用車の使用(移動サービスの使用車両としての使用)が認められるのは、障害者自立支援法適用のサービス提供時に限られる事となります。
非営利法人は、事業許可(4条・43条)以外に、道路運送法第79条に基づく福祉有償運送の許可を取ることで、障害者自立支援法に基づく「身体介護」と一体化した輸送(移動サービス)を行う事ができます。 この場合、持込の自家用車(運転者の持込車両)は、障害者自立支援法以外のサービス(移動サービス)を提供することができます。
非営利法人の介護サービス事業者(社会福祉法人・医療法人・NPO法人等)は、4条・43条許可、79条登録のいずれかを選択する事ができます。
施設介護(通所施設)と連動した施設送迎については、施設による「自家輸送」として取り扱い、安全性確保のため4条・43条の許可事業者への外部委託への促進が「介護輸送に係る法的取り扱い」の事務連絡に併記されています。
※「自家輸送」とは
自家の需要、例としては、病院が患者の通院のため運行する送迎バスや、旅館が最寄りの駅から旅館まで宿泊客を運ぶ送迎バス等は、運行を主の目的としない対価性のない輸送となり、許可取得の必要はないとされています。
障害者自立支援法施行により、従来のデイサービス・ショートステイ事業の送迎加算が市町村給付に移管されたため、許可事業者への外部委託が難しくなり、様々な実施形態(事業施設が有料で送迎を行う、送迎費用を市町村が一部負担する、NPO等に送迎を業務委託する等)が出てくると予想されます。現在取り扱いについては、検討することとなっていますが、想定されるケースのうち、従前の支援費支給額相当を市町村が負担する場合については、「当分の間自家輸送とみなす」と事務連絡に明記されています。
利用者が送迎費用の一部負担が、従前の送迎加算の自己負担であれば「自家輸送」と取り扱われ、登録は不要となります。
低額で施設送迎だけを実施するケースであれば、登録の要不要については運輸支局に必ず確認を取る必要があります。
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