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福祉有償運送における運転者・運行管理責任者・整備管理責任者の要件について説明します。
このページの目次
運転者の要件
福祉有償運送で使用する車の種類によって運転者の要件が変化していきます。
【道路運送法施行規則第51条の16】
- 福祉車両の場合【道路運送法施行規則第51条の16第1項】
- 第2種免許所持者
免許の効力が停止されていない者
- 第1種免許所持者
過去2年間免許の効力が停止されていない者で、下記のいずれかの条件が満たされている者
- 国土交通大臣が認定する福祉有償運送運転者講習を受講した者
- 全国乗用自動車連合会が行うケア輸送サービス事業者研修を受講した者
- セダン車【道路運送法施行規則第51条の16第3項】
セダン車(寝台車・車椅子車・兼用車・回転シート以外の車両)の場合、上記の運転者の要件にさらに下記の要件のいずれか1つを満たす必要があります。
- 介護福祉士
- 国土交通大臣が認定するセダン等運転者講習を受講したもの
- 上記2つ以外に国土交通大臣が認める用件を備えた者(訪問介護員や障害者自立支援法におけるホームヘルパー等)
運転者が死亡または負傷を発生する事故を起こした場合
運転者が死亡・負傷事故を起こし、免許停止処分を受けた時は、独立行政法人自動車事故対策機構が実施する「適正診断」を受診しなければなりません。免許停止期間が終了し、適正診断を受診すれば当該運転者に運転業務を再開する事ができます。
【道路運送法施行規則第51条の16第2項 通達143号3.(1)】
運行管理責任者の要件
運行管理責任者の要件は、福祉有償運送を行う事務所に配置されている車両の台数によって変化します。配置する車両が5台以下の事務所には特に資格要件等は求められていません。
福祉有償運送を行う事務所が複数ある場合は、事務所ごとに運行管理責任者を選任する必要があります。
5台以上配置している事務所は下記の様な要件がかされます。また運行管理責任者不在の場合に備えてあらかじめ、運行管理を代行する者を定める必要があります。
【道路運送法施行規則第51条の17第2項 通達143号3.(2)】
- 運行管理責任者の資格要件
- 運行管理責任者【道路運送法第23条第1項 道路運送法施行規則51条第2項】
- 運行管理者試験受験資格者【旅客自動車運送事業運輸規則第48条の12 道路運送法施行規則51条第2項】
- 安全運転管理者資格者【道路交通法施行規則第9条の9第1項 道路運送法施行規則第51条の17第2項第2号】
- 運行管理者試験受験資格者及び安全運転管理者資格者と同等以上の能力を有すると国土交通大臣が認める者【道路運送法施行規則第51条の17の第2項第3号】
- 運行管理責任者の配置要件
- 4台以下1名
- 5台以上の場合、資格要件の整った者を運行車両台数別に下記のいずれかの人員を配置する必要があります。
- 運行管理者の場合
39台まで1名、以後40台ごとに1名を配置
- 運行管理者受験資格者、安全運転管理者、国土交通大臣が左記資格と同等以上の能力を有すると認める者
19台まで1名、以降20台ごとに1名配置
整備管理責任者の要件
整備管理責任者へは、資格等の要件の規定はありません。
福祉有償運送を行う事務所が複数ある場合については、事務所ごとに整備管理責任者を配置する必要はないが、各事務所の車両の整備点検が適切な実施管理体制である事は求められています。
【道路運送法施行規則第51条の20】
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