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東北学院大学2年 葛巻卓朗
NPO法人「あかねグループ」では高齢になっても安心して暮らせる「まちづくり」を目指して、配食サービス事業や介護保険訪問介護サービス事業、サロンやバザーなどのコミュニティ活動、託児や移送サービスなどのファミリーサポート活動など行なっている。今回は多様なサービスや活動の中で移送サービスを中心に話しを聞きましたが、その話しにとどまらずいろいろな話しを聞くことができた。
始めに移送サービスの話しだが、「あかねグループ」では移送サービスを今年の4月に開始した。「あかねグループ」でも移送サービスを利用したいという人のニーズは高いが、移送サービスはまだ広まってないし、広めてないという。なぜなら、移送サービスはボランティアあってこそできるサービスだからである。つまり、ボランティアの数が足りないのである。この問題は移送サービスを行なっている団体どこでも起きていると考える。サービス提供者の立場から考えるとサービスを受けたいと人がいれば、何とかしてサービスを提供したいはずだし、移送サービスがもっともっと広がってくれることを望んでいると思う。こういったことを実現できるようにするにはボランティアの募集に力を入れていくことに加えて、団体同士の連携、ネットワーク化が必要だと再認識した。団体同士が連携しネットワーク化することができれば、ボランティアが足りない分を補えるはずだ。
また、心に一番残っている言葉は「何とかしなくちゃ」である。この言葉にはボランティアを行なっている人たちの根本にある想いが含まれていると感じた。その想いを私なりに考えると「目の前に困っている人、困っていることがあるなら、すぐに解決するのは無理かもしれないけどまず前に進む必要がある、そして最初は自分のできることを探していく」である。目を向ければ私たちの周りでは常に助けを必要にしている人たちがいるはずである。最初は何もできないかも知れないが、まずはその人たちのために自分は何ができるのかをしっかり考え、できるところから手を差し伸べていくことが大事なのである。あとは、少しの勇気があればいいと思う。誰だって今までやったことのないことに挑戦する時は不安になり最初の一歩はなかなか踏み出せない。ボランティアなどを今まで一度もやったことのない人がボランティアに取り組むというのは、私もそうだったが本当に不安を感じると思う。自分がボランティアに行っても何も出来ることは無いと自分に言い聞かせてしまい、やる前からしり込みし一歩を踏み出せないのである。だから、何かボランティアをやってみたいと思っているならば何が出来る、出来ないは関係なしにまずは最初の一歩を踏み出してもらいたい。「何とかしなくちゃ」はその一歩を後押ししてくれる言葉だと感じた。
最後に、「あかねグループ」では配食サービスを実施しているので、帰りがけにお弁当を作っている調理場を見せてもらった。調理場には数えきれないほどのお弁当が並んでいた。お弁当を毎日作り、届けるのは相当大変だなと思ったが、このお弁当を待っている人がいて、それを食べていることを想像すると苦が苦じゃなくなるのかなと感じた。機会があったら配達しているところも見せてもらいたいなと思った。また、快く取材に協力してくれた「あかねグループ」の皆様に感謝したい。
2003年11月14日取材
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