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取材レポート・NPO法人 ほっとあい

呼びかけよう...「地域が一つになるために」

東北学院大学教養学部 葛巻卓朗

大河原町内で主に活動を実施しているNPO法人「ほっとあい」は、ホームヘルプサービスや移送サービスなどの住民参加型在宅福祉サービスを始め、 介護保険サービスなど、多種多様なサービスを実施している。今回も移送サービスの話を中心にお話を聞きましたが、移送サービスに限らずいろいろなお話しを聞くことができました。

「ほっとあい」で移送サービスを最初に始めたきっかけは、一人で病院にいけない人を病院にどうしても連れて行きたいという、身近なニーズに答えていこうということから始まり、 移送サービスを始めたからには車に人を乗せているということで、自分たちでマニュアルを作り、危機管理をきちんとやっている。 移送サービスを利用する人たちにとって、サービスを提供してくれる側のこういった取り組みは安心してサービスを受けられる支えになっていると思った。 実際にマニュアルを見せてもらったり話しを聞いたりすると、マニュアルを作る作業は大変だと思ったが、利用者に安心してサービスを受けてもらうには絶対に必要なことだと思うので、 移送サービスに限らず、こういった活動の中ではしっかりとやっていかなければいけないことだと感じた。まして、移送サービスの利用者は高齢者や障害者なので、車の運転などでは、 普段以上の注意などが必要になってくるので、安全対策などは気を引き締めてやっていかなければならない。また、 「ほっとあい」では利用者にアンケート調査をおこない、 目的や料金などについて利用者の声を聞き、サービスの改善に努めている。人と人の間で介されるサービスなので、相手の声を聞くというのはすごくいいことだと思った。 プライバシーの問題といって嫌がる人もいるかもしれないが、移送サービスの目的は移送を手助けしてあげることかも知れないが、それだけではなく根本にあるものは人と人とのつながりだと思うので大事にしていってもらいたい。 そういった中で今まで見えてこなかった新たな課題なども出てくるかもしれない。

次に今回の取材で一番印象に残り、考えらせられたのは地域との係わりである 。今回の取材で3回目だが、今までの2回は仙台市内で活動している団体だったので、 今回は大河原町で活動を実施している団体だったので、今まで以上に地域 との係わり合いが必要かを感じた。今までは日本各地にある市町村の行政は規模の違いはあるが、 おこなっていることは基本的にみな同じ機能をはたしていると思っていた。だが、実際は行政によってこういった活動に対しての取り組み方は積極的であったり、 消極的であったりとバラバラだという。行政の取り組み方が 積極的にこしたことはないと思うが、どちらにしろ地域の団体と連携してより住みやすい地域を作っていかなければならないと思った。 「ほっとあい」でも地域の行政や社会福祉協議会に対して呼びかけをおこない、地域との係わりを強めようと努力している。団体だけでは人数的にも資金的にも限度があると思うので、 地域との係わりを強め、最初は情報交換をするなど、同じ目標に向かって一緒に活動が出来るようになれば移動サービスの発展に留まらず、様々な活動の発展にもつながるのではないだろうか。 どちらかが声を上げるだけのような一方通行の関係ではなく、お互いで声を上げ合いそれに答えていくような双方向的な関係を築いていかなければならない。そのためには行政からの働きかけは不可欠である 。 高齢化社会に向けて地域のみんなでいちがんとなって、いかなければならないのである。

最後に、「ほっとあい」でも移動サービスについては需要はあるが供給は少な いという。サービスを受けたい人がたくさんいてもサービスを提供できないのである。 目の前にこのような状況があって手を差し伸べてあげられないということはつらいことだと思う。利用したいと思っている人が利用できるようになるためにもサービスを提供してくれる人が増えることを望みたい。 また、快く取材に答えてくれた「ほっとあい」の皆様に感謝したい。

2004年2月4日取材

「特定非営利活動法人ほっとあい」さんを訪ねてみて

八巻敦子

初めての学生2人での取材。そんなこともあり、いっそう緊張しながら「ほっと あい」さんのドアを開けると、代表の渡辺典子さんが暖かく迎えてくださった。 そのバックにはそこの利用者のおじいさん、おばあさんのハツラツとした歌声が響いている。(確かあの時は「赤いくつ」だった。)だから、私が時間とともに和めたといっても疑問はわかないだろう。 ほっとあいさんは、平成10年に移送サービスをはじめたそうだ。きっかけは、自分たちの身近な人を病院に連れて行きたいといった気持ちからだという。

1からの出発、まずは自分たちなりのマニュアルそして福祉移動運営マニュアルに従い活動していたそうだ。ここでは「危機感」がいつもとなりにあり、 自己チェック、ヒヤリ・ハット(何かあったら自分たちで考えていく)を早くから実行 していた。そう、今回、頭に残ったことばは、このお話の場面ででてきた「わたしたちは、 単に親切心だけで活動しているのではありません。」というものであ る。親切心+責任感、これが非営利ボランティアの世界にも必須の考え方なのだと感じた瞬間でもあった。 また、移送サービスはしばしば在宅福祉サービスと勘違いされがちだが、あくまでも「助け合い」でおこなっているのだということもポイントである。熱意だけではどうにもならない、 そんな世界なのだ。サービスをしていくにあたって、ネットワークの不十分、スタッフ不足・・・さまざまな問題があるなか、ほっとあいさんは何かあるたびしっかりと「文書」を作成し足跡を残してきた。 実際に見せていただいたが、利用者アンケートでは、サービスをなくしてはいけないということを実感できるものばかりだったし、やむを得ず要望に応えきれないこともしっかり説明してある。 行政にも働きかけを続けている。何も知らない学生からみて、気持ちと状況がかみ合ってなく、正直、ボランティアすることを放棄したくはならないかと思ってしまった。だが、 「ここに、自分のやることは必ずあると思う。」、「(活動していて)無駄になることは何もないかな。」という渡辺さんのことばに、営利にばかり注目の集まる社会傾向のなか、 非営利NPO活動を続ける人々の強い志をみた気がした。

2004年2月4日取材

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