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活動報告会レポート 2
ボランティアできる人・移送サービスを通して

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移送サービスの存在を知って、みえてきたこと

「移送サービス」を知って

「移送サービスを知っていますか?」という質問に、「はい!」と答えられる人はどれくらいいるのだろう。今ところ、聞いたことすらないという答えが多いのではないかと予想してしまう。というのも、私自身、このボランティアに関わらなかったら、もしかして一生知らないままだったかもしれないからである。はっきりいってしまうと、私は「ボランティア」というものを漠然としたイメージで捉えていた。だから、そこにどれほどの種類のものがあるかという疑問は浮かぶ余地もなかった。しかし、偶然であれ必然であれ、「移送サービス」というボランティアの存在をしることになり、そこから、今まで持ったことのない考えを抱くようになった。

移動サービスとは?

さて、始めに簡単に移送サービス(しばしば、移動サービスともいわれることもあるが、その場合、利用者側に視点が置かれ、本来の趣旨とずれてくると感じるのでここでは移送を使う)とは何であるか、整理したい。定義としては、高齢者や障害のある人などの移動困難者に対する移動そのものを支援するサービスであり、その支援方法としては、福祉車両などの自動車を使用したドアツードア(利用者宅の玄関先から目的地)もしくはベッドツーベッド(利用者宅の居室内から目的地)が一般的とされている。全体として、まだ知名度は低いが、現在全国に、約2300団体以上あるといわれており、実施団体は、任意団体、NPO法人、社会福祉法人(社協も含む)など様々で、サービス提供形態も異なっているケースが多い。(現に、宮城県の例外ではない。)これから、除々にネットワークが広がり、内容が統一され、援助し合えるものになっていくことが望まれる。

「移動サービスみやぎ」の拠点決定に居合わせる

私は幸いなことに、仙台でこのサービスの情報ステーション的役割をする場の、拠点を決める段階から居合わせることができた。活動できるまでには、私が参加していないものも含め、何度となく話し合いがなされ、一つのことをはじめるのにこんなにも問題が浮かび上がるのかと思わずにはいられないものであった。なかでも、「道路運送法第80条」は極めて厄介な問題である。おおまかに説明してしまえば、自家用自動車を有償で運行することは「白タク」行為にあたるとされてしまうのである。その問題に対し、移送サービスをおこなっている団体は日々試行錯誤の連続といった状態なのだ…。

ボランティアできる人・移送サービスを通して

誰でもが「ボランティアできるひと」で、これからの時代はボランティアの普及が重要だ

「NPO法人 あかねグループ」では

ここで一度、取材に行った「NPO法人 あかねグループ」の方の話を取り上げたい。因みにあかねグループは、配食サービスなどが主な活動で、移送サービスは始めたばかりだそうだ。しかし、そのニーズは高く、(どこでもそうだと思うが)ボランティアと利用者のバランスを取るのが難しいようであった。それはさておき、お話の中でボランティアの考え方が広がったところがあった。こちらの、「ボランティアをやってきて、良かったことは?」という問いに、「今までは、障害をもつひとを街で見かけても、見てみぬふりをしてしまっていたけど、今は常日頃ボランティアに携わっていることで、自然に‘親切できる力‘がでてきた。」という答えが返ってきたことだ。それまで、ボランティアしている人は、最初からそれを自然にできる人だという深い思い込みがあったが、そんなことはないようだ。自分がしていくことで、年輪のようにボランティア精神も太くなっていく、そういった現象が少なからずあると知れたことで、ボランティアを特別視している自分が浮かび上がってきた。そこで考えたことのたどり着いたところは、これからのボランティアの見方として「誰にでもできるのではなく、誰でもやっている」という意識改善の必要性である。より多くの人が身近なものとして受け入れることが出来れば、ボランティアが足りなくて困ることも減っていくだろうし、法などがボランティアの壁になってしまうという社会的矛盾も改善されていくのではないだろうか。

他人の気持ちと関われるボランティアの普及が重要

わたしたちは、病気であったり、障害をもっていないとすればお年寄りも例外なく(これは、シニアネットにおいて痛感したことである)、誰でもが「ボランティアできるひと」だ。実際、本格的にするとなると、時間の問題、機会の問題はもちろんあるが、ふと歩いていて、困っているひとを見かけたときに手助けできる心の準備はあるだろうか。見てみぬふりという行為は、紛れもなく自分の意思表示であると気づいているだろうか。私自身でも耳が痛くなるような問いあるが、第一段階はこれ、すなわち気持ちの問題のような気がしてならない。私が今回おこなった、ホームページを作るというのは、フェイスtoフェイスでするボランティアとは違う。だが、ここで意味する、気持ちの問題に関しては同じような気がする。活動を続けるうちに、もっと知りたい、なんとかしたい、という感情が少しずつうまれてきたからである。自分に関係のあるもの、興味のあるもののみを選べるという便利な時代になってきたからこそ、大いに他人の気持ちと関われる、ボランティアの普及が重要に思えてならない。

東北学院大学教養学部 言語文化専攻2年 八巻敦子

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